「ホットヨガのクラスが終わるたびに、髪がパサパサになっていく気がする」
「丁寧にヘアケアしているのに、なんとなく髪が傷む感じが続いている」
ホットヨガを習慣にしている方から、そんなお声をよく耳にすることがあります。
それは気のせいではありません。
暖かく湿度の高いホットヨガのスタジオ環境は、私たちが思う以上に髪の水分バランスを崩しやすく、パサつきや髪の傷みを引き起こしやすいのです。そして、多くの方がその理由を「クラスの後のケアの問題」と誤解しているために、ヘアケアの順番を間違えてしまっています。
なぜホットヨガ環境で髪がパサパサになるのか?
ホットヨガのスタジオは、一般的に室温38〜40℃前後、湿度60〜70%前後の環境に保たれています。
この高温多湿な状態に髪をさらし続けると、どのような変化が起きるのでしょうか。
髪の表面には、健やかさを守るために魚のうろこのように重なり合った「キューティクル」という構造があります。キューティクルは、高温多湿の環境に置かれると水分を含んでゆっくりと開く性質を持っています。環境によってキューティクルが開くこと自体は自然な現象ですが、キューティクルが開いた状態が長く続くと、髪の内部にある大切な水分が外へと逃げやすくなり、結果として髪がパサパサになる原因を作ってしまいます。
さらに、汗の存在も関係しています。頭皮から流れる汗や塩分、時間の経過によるpH(性質)の変化は、デリケートな開いた髪の表面にとって少なからず刺激となります。ヨガインストラクターさんの場合、頭皮を覆う汗がそのまま何十分も髪に触れ続けている状態が、週に何度も繰り返されます。
熱だけでも、汗だけでも、一度きりなら問題ないかもしれません。でもホットヨガは、この刺激が積み重なり続ける環境です。その環境に週に何度も髪がさらされる場合、髪の保水バランスはさらにゆらぎやすくなり、「ホットヨガを始めてから髪が傷む」という実感に繋がりやすくなります。
丁寧にヘアケアしているのに、髪の乾燥や傷みが進む理由
多くの方は、ホットヨガのクラスの後にしっかりシャンプー・トリートメントをして、ドライヤーで乾かす。そのルーティンを、丁寧に続けていらっしゃると思います。それなのに、なぜか髪のパサつきや傷みが気になる。その原因のひとつは、「水分が抜けた状態でドライヤーの熱を加えること」そのものにあります。
クラスが終わった直後の髪は、汗や湿気を含んだ状態です。そのまま放置するのも気になるし、かといって毎回時間をかけて洗うのも難しい。多くの方は、軽く流すか、タオルで拭いてからドライヤーをかけて終わりにする、という場面も少なくないはずです。
問題は、ここにあります。
高温多湿の環境でキューティクルが開いた髪は、内側を守るバリアがいつもより薄くなっています。そこにドライヤーの熱が直接当たることで、熱によるダメージが積み重なっていきます。ヘアケアしているつもりが、傷みを加速させているケースは、決して珍しくありません。
ホットヨガのヘアケアは、「クラスの後」だけでは間に合わない
髪のパサつき対策やヘアケアというと、多くの方がお風呂上がりのルーティンをイメージします。「ダメージが起きた後に補修する」。もちろん、この時間はとても大切です。けれど、ホットヨガをしている方には、もう一つの視点が必要かもしれません。
それは、「ダメージが起きる前に守る」こと。このクラスの「前」のケアが、積み重なると大きな差になります。肌のスキンケアに例えると、わかりやすいかもしれません。日焼けした後にどれだけ美容液を塗り込んでも、日焼け止めを塗っておくことには敵わない。
髪も、同じ考え方が成り立ちます。
高温多湿の環境に入る「前」に、髪の表面に薄い保護の膜を作っておくこと。
これが、ホットヨガを愛する方にとっての、もう一つのヘアケアの起点です。
「守る層を重ねる」という、ホットヨガ前のヘアミルク習慣
クラスが始まる30分ほど前に、洗い流さないトリートメント(ヘアミルク)を毛先から中間にかけてなじませてみてください。特別な手順は必要ありません。手のひらに少量とって、髪全体にやさしくなじませるだけです。
この一手間が、高温の空気と汗から、髪の水分が逃げるのをゆるやかに防いでくれます。キューティクルが大きく開く前に、油分と水分がバランスよく共存した層で、髪の表面をやさしく包み込む。特に、毛髪のラメラ構造に着目したヘアミルクは、ダメージ後のケアだけではなく、こうした「事前の保護」にも向いています。
クラスの後は、いつもどおりのヘアケアを続ければいい。ただ、その「前」にひとつだけ新しい習慣を添えてみる。それだけで、ホットヨガが終わった後のクラス後の髪の感触が、すっと穏やかに変わっていくはずです。
ホットヨガで自分を整えるように、髪も美しく
ホットヨガは、心と体を健やかに整えるための時間です。
その美しい習慣のなかで、髪のパサつきやゆらぎに心を痛める必要はありません。
正しい順番でケアをすれば、ホットヨガを心地よく続けながら、髪の美しさを守ることができます。
傷んでいく一方ではなく、今よりも少しずつ、髪の土台を整えながら続けていけるように。
ホットヨガで心と体を整えるように、髪もまた、静かに丁寧に整えていく。
その2つが時間が、あなたの毎日の中で、静かに重なっていきますように。
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